国土交通省では「飲酒運転・救護義務違反などの悪質な法令違反の根絶」に力をいれております。東個協としても、当支部としてもKYT小グループ講習会(次回開催日は交通部のお知らせをご覧下さい)を継続的に開催し、組合員さんのご理解とご協力も高まってきております。
また、これから迎える「超高齢化社会」に向けて「健康起因による事故」の減少にも取り組んでいます。仕事中に具合が悪くなったり、不幸にも命を落とすような事例も散見されております。
平成24年の統計では、運転手の健康状態に起因する事故は「全体の5.8パーセント」で、交通死亡事故のうち10%が運転者の体調変化によるものと考えられています。
長い時間、座って仕事をしなければならないタクシーの運転は、業務上のストレスがあるうえ、座りっぱなしのためどうしても血流が悪くなり、梗塞ができやすい仕事といえるでしょう。悲惨な事故ではかなりの割合で「ノーブレーキ」「ハンドルによる回避」がないまま起きているのが実情です。虚血性疾患や脳疾患に陥ると意識がなくなって重大な事故につなが
ります。
また、そこまで症状がすすんでいなくても体調の悪さから「注意力」が低下して事故になるケースも全体の2割弱の割合で起きています。
超高齢化社会となり、「認知症」がもたらす事故も社会問題となっています。個人タクシーの平均年齢は64歳ですから、他人ごとではありませんね。
惨劇をなくし、輸送の安全を確保するには、自身の健康管理がなんといっても大切です。個人タクシー事業者は運行管理者でもあります。法人タクシーにおける運行管理とは「乗務員の健康状態を把握し、健康な状態で乗務できるようにアドバイスする」役割です。個人タクシー事業者は自らの健康を維持し、なおかつ体調が乗務に適しているかどうかを自ら判断する義務があります。
自分自身の命だけでなく、お客様や行する他の歩行者などの命にもかかわる重要な課題と知って、健康管理、健康状態の把握に率先取り組んでいただきたいと思います。
【もし事故を起こしてしまったら】
◎まずはあわてずケガ人の救護を! 運転者には「救護義務」があります。けががあれば119番。
◎次には、警察に届けます(事故の軽重にかかわらず)。
◎相手が「任意保険に入っているか」を確認。入っていれば、保険会社の連絡先を控えておく。
◎事故の解決は自己判断でしない。東個協交通共済組合が円満解決にあたります。救護➡警察に連絡➡交通共済に連絡
※東個協交通共済組合時間外受付 05700-25889
◎できれば、ぶつかっている状態を撮影しておく。方向を変えて、ガードレールの位置、横断歩道の位置、電柱の位置なども入っているとなお良いです。
◎そのほかに以下の「必要事項」をメモする。
①事故発生場所の住所
②日時
③相手方運転手の住所、氏名、電話番号、免許証番号
④相手方車両の車種、登録ナンバー、保有者(会社名義の車両の場合など)の氏名、住所、電話番号
健康起因の事故を予防
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