健康寿命を伸ばしましょう!

平成24年の統計では、運転手の健康状態に起因する事故は「全体の5.8パーセント」で、交通死亡事故のうち10%が運転者の体調変化によるものと考えられています。

長い時間、座って仕事をしなければならないタクシーの運転は、サービス業ゆえのストレスがあるうえ、座りっぱなしの仕事です。血流が悪くなり、梗塞ができやすい仕事といえるでしょう。悲惨な事故ではかなりの割合で「ノーブレーキ」「ハンドルによる回避」がないまま起きています。

そこまで症状がすすんでいなくても体調の悪さから「注意力」が低下して事故になるケースも全体の2割弱の割合で起きています。

健康状態と自動車事故の関係を研究してきた滋賀医科大学の一杉正仁教授は、「緊張状態や車の振動は健康にとって悪影響を与える。たった2時間の運転で足の血液の粘度は17パーセントも上昇する」「トラックやタクシーのドライバーは運転中に起きた病気で亡くなる割合が高い」と指摘され、「体調がおかしいと思ったら、ハンドルを離す勇気を」と、ご教示いただきました。一度病気を発症しても、その後のケアや薬を正しく服用することで再び運転に従事することも可能ともお話しくださいました。

超高齢化社会となり、「健康起因の事故」だけではなく、「認知症」がもたらす事故も社会問題となっています。個人タクシーの平均年齢は64歳ですから、他人ごとではありませんね。

輸送の安全を確保するには、自身の健康管理がなんといっても大切です。わずかな自覚症状は「重大な病」の前兆かもしれません。以下に「え、こんなことが……」という「病気の前兆」をあげてみました。

  咳が続く、声がかすれる――湿度を適度に保っても「咳が出続ける」「声がすれが続く」というときは、肺癌、食道癌、咽頭癌などの疑いもあります。

  手足が痺れる、感覚がなくなる――脳の血管内に血栓ができ、血官が詰まって脳梗塞を起こしている可能性があります。

  激しい運動をしていないのに、足がつる――こむら返りは「血液が流れにくい状態」になっていると起きやすくなります。心臓病の前兆には「奥歯の痛み」や「胸の痛み」があります。前兆をつかんで、早めの診断が大切です。

どの病気にしても「早期発見」「早期治療」が大切です。お客様の命を守る。自らの命を守り、いつまでも健康で安全輸送に貢献できるようにしていきましょう。

何歳まで生きるかではなく、何歳まで健康で働けるか? 「健康寿命」を伸ばしましょう。

 

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